PixelJunk Monsters: Kentaro Yoshida & Otograph
January 8th, 2009 Posted in ゲームSiliconera & GameSetWatch インタビュー
12月19日に株式会社Q-Gamesより「PixelJunk Eden」の機能追加パッチがPlaystation Network上から日本国内に配信された。これはユーザーからのフィードバックをベースとしてゲームシステムに改良を加えたユーザーにとって非常にあり がたいパッチとなっている。ゲーム内の新機能として追加改良されたのはコンティニュー機能の実装、
今回はこの「PixelJunk」シリーズの開発に携わったQ-gamesのディレクター吉田謙太郎氏、さらに「PixelJunk MONSTERS」の音楽を担当したグループ「オトグラフ」にお話を伺った。スタジオディレクターの吉田氏は以前株式会社セガにて「
取材:ジェリアスカ
翻訳:佐藤領二郎

Kentaro Yoshida, Studio Director of Q-Games
GSW: 今回はインタビューの機会を設けて頂きありがとうございます。まずは始めに、吉田さんが担当されたXBox用タイトル「Panzer Dragoon Orta」のお仕事についてお話いただけますか?
Kentaro Yoshida: Panzer Dragoon Ortaは私がSONYを辞めてからセガに戻って参加したタイトルなんです。このシリーズは私がゲーム業界に入って初めてセガに入社したときから関わって いたタイトルです。私は新人だったので一番下のアーティストというレベルで当時3Dもまだ新しかった頃にモデリングしたりテクスチャやアニメーションを 作ったりしていました。 Panzer Dragoon Ortaは(株)スマイルビットで作ったんですけど昔の Panzer Dragoon の開発者はほとんど残っていなくて、AlterのディレクターをやっていたのがAZELの デザイナーだったんですが、その人が私の知り合いでちょうど声がかかったという感じです。Ortaの開発ではセガサターン版のPanzer Dragoonに関わってない人達がほとんどだったんですけど私の役割は昔のテイストでここはこう残したいといった感じのことを考えてはいたんですが、最 終的には昔の部分と新しい部分が合わさったちょっと新しいパンツァードラグーンになってます。
GSW: どのような経緯でQ-Gamesでお仕事をするようになりましたか?
Yoshida: Playstation2の時代に私がセガからSCEに移ったときにそこにディランがいて、そこで最初のプレイステーション2のあひるのデモンストレーションがあったんですけど、それのグラフィックスを私が担当していてそこでディランと初めて知り合いました。そのあとディランが京都にQGamesを作ったということは知っていて、たまにホームページを見たりとかメールしたりとかで連絡はとっていました。
そのあと私もを 辞めていくつかの大きなパブリッシャーの会社で働いたんですけど、最近はどのゲームも大作思考になってきたのとポジションもプロデューサーの仕事をやるよ うになってきていたので、また自分でゲームを作れるような場所に行きたいと思っていてそのときディランのことを思い出して連絡をとってみたらちょうど私ぐ らいのキャリアの人を探していると言われて、うまい具合にに入ることになりました。
GSW: 「PixelJunk」シリーズを通してのグラフィックデザインのについては、特にRacersとMONSTERSはそれぞれどなたが担当していますか?
Yoshida: Racers のコンセプトはPaulがやっ ています。Racersは2Dなんですけど、もとのデータははMayaで作った3Dグラフィックだったり、ノーマルマッピングを使ったりライティングに こっていたりとMonstersとはまったく違う方向性になってます。手書きだとRacersの画面の密度感は表現出来なかったんじゃないかと思います。MONSTER のコンセプトのイラストがあるんですけど、アーティストのAndyが書いたものなんですが、昔の8ビットのドット絵のような雰囲気があるんですがそれが PS3の高解像度の画面に きっちりと収まっていて、すごく不思議な感じで密度の高い森のグラフィックでした。ゲームの内容自体やモンスターも原案とは違うものなんですけど、なぜか ゲーム内容も変わったんですけど、もとは最初のコンセプトをAndyが磨いていったというかたちで今時のPS3のグラフィックスに引っ張られずに自分のや りたいアートをちゃんと守って作っているところがすごく面白いと思います。

GSW: Q-Gamesには外国人スタッフが何名かいらっしゃると伺いましたが、彼らとのお仕事はいかがですか?
Yoshida: PixelJunkシリーズでは たくさん外国からのアーティストがいますし、Edenではプログラマーも外国人ですね。Racersが一番外国人の比率が多いです。それぞれチームによっ て作り方も違いますけど、みんな日本が好きだったりゲームが好きだったりしてQ-Gamesで働いているのでそれほど外国人と日本人というところでの問題 はないと思います。アーティストのAndy やPaulのセンスはやっぱり日本人が書くのとは少し違っていて、でも日本人からみてもそんなには外国のゲームという感じはしないといういい落ち着き方を してるというのは外国人が日本のスタジオで作ってるからなのかなと思いますね。みんな日本語も勉強して話しているので言語の問題もそこまでは無いですね。
GSW: 吉田さんはPixelJunk MONSTERSの音楽を担当されたオトグラフさんと以前インタビューをしていらっしゃいますが、それについてもPlaystation Blogにユーザーからのフィードバックがありますが、こちらも大変便利なシステムですよね。
Yoshida: オトグラフさんに私が質問を書いて実施したインタビューなんですけど、フィードバックは内容が英語だったのでそこまで細かくは読めていないと思いますが、 Blogはリアルタイムでフィードバックが返って来て特にディランはよく目を通してたまに自分で返事を書いています。ああいう場があるのはいいことだと思います。
GSW: Q-Gamesではどの作品をとってみてもたいへんユニークなゲームが多いですが、やはりユーザーからのフィードバックは開発でも重要な要素ですよね。
Yoshida: レー サーズの頃は、特に日本からはユーザーの 声も少なくてあまり実感も無かったんですけど、モンスターは非常にたくさんユーザーからの意見が来て、実際本当に楽しんで遊んでもらっているというのと、 もっと遊びたいという意見があったので、そういうユーザーの意見が無ければあんなに早くPixelJunk Monsters アンコールは出なかったと思います。色々と前向きな意見もあったり、ゲーム内容について批判的な意見もあったりもするんですけど、どんな意見でも次の作品に役立てていますので今後もフィードバックをいただければと思います。
GSW: 「PixelJunk Eden」では新しく配信されたパッチではユーザーもより楽しめるようにと難易度が調節出来るようになっています。MONSTERSについてはユーザーからの反響はいかがですか?
Yoshida:ユー ザーが熱中出来るぐらいのバランスがゲー ムの中でとれたのが良くできたというか、半分驚いているという感じです。始めは難易度設定なども何人かのゲームプランナーの手にかかっていたんですけど、 それをユーザーが本当に喜んでくれてよかったと思っています。アンコールはもともとオリジナルのレベルデザインをやっていた人とは別のデザイナーも担当し てるんですけど、そのせいか難易度も多少あがっていたりもするんですけど、それでもみんなが十分楽しめるようになっているというところで、いいゲームシス テムが作れていると思っています。
GSW: 今後の「PixelJunk」シリーズでは何が期待出来そうでしょうか?
Yoshida: 新しいPixelJunkもチームを組んで開発がスタートしています。タイトルは公開してないんですが、来年の早いうちにリリースされる予定です。もう一つはGDCで発表したダンジョンズというのがあるんですけど、こちらはPixelJunkのなかでも時間をかけようということで今開発している1−4の後のリリースになると思います。あと社長の方も色々とアイディアがあるみたいなんですけど、今までのPixelJunkは基本的に2Dがベースなんですけど、将来的には3Dを生かしたり、違う方向のアイディアを生かしたPixelJunkを検討しています。

Otograph, composers of PixelJunk Monsters
Siliconera: Otographというお名前にもございますが、作品の中で「OTO」と「GRAPH」はそれぞれどのような役割で作品を作り上げていると思いますか?また、その作品の中でPixelJunk Monsters.のファンに対して紹介したい代表作などをご紹介ください。
Otograph: 「OTO」は日本語で音=soundの意味で、絵的表現を表す「
Siliconera: 井浦崇さんと大島幸代さんのOtographでの音楽的なスタイルや趣向、役割分担について少しお話ください。
Otograph: 音楽制作には音づくり、作曲、アレンジ、
Otograph: ゲームがリリースされてから気付いたことですが、

Siliconera:「Dive Into PixelJunk Monsters」のサントラでは生楽器と電子楽器を両方使用していらっしゃいますが、サントラでご自身が演奏されているのはどの楽器でしょうか?主にご使用になっているソフトはなんでしょうか?
Otograph: ソフトウェアはLogic ProやMax/MSPがメインですが、音源はハードウェアシンセで音づくりしたものや生演奏を録音したものを使っています。生楽器も電子音も一旦演奏したものをコンピュータに取り込み、サンプリングしたサウンドをさらに加工して鍵盤に配置していきます。それを鍵盤で演奏して曲を構成するのですが、場合によっては作った曲をまたサンプリング、加工して配置して演奏して・・・というように全てが生演奏であり、全てが電子音です。楽器演奏については、中にはチューニングしていないギターやフィルターの壊れたシンセの演奏をサンプリングすることで印象的な音を作った部分もあります。音作りには時間を掛けているので、生楽器のように聞こえる部分も電子音で作っていたり、電子音のように聞こえる音が生楽器を加工した音だったりもします。
Siliconera:サントラの録音やミックスでは生音と電子音のバランスをとるのに特に苦労なさった点などはございましたか?
Otograph: 生音や電子音のバランスは曲のイメージにあわせて自然に調節しているのであまり意識していません。ただSEとの兼ね合いは強く意識していました。最初はSEが乗るという前提から、噪音(リズムなど音程を持たない音)に頼らない曲づくりをして、同時に制作していたSEと合わせながら噪音の調整をしていきました。その他にもSEとBGMの関係に関しては心地よいプレイ環境をつくるために様々な工夫をしています。

Siliconera: 曲の中には一見ランダムで無作為に上下進行するスケールが印象的でした。これも曲の中で聴くと自然と曲の要素としてとけ込んでいて大変感動したのですが、たとえばこの部分に見られます「自由さ」は何か全体を通して意識なさったコンセプトということではありましたか?
Otograph: 何かを制作する時に常々心掛けていることですが、少なくとも自分たちが今までに体験したことのない感覚を喚起させるもののみを作品として発表するようにしています。それは一見(一聴)するとスタイルがなく、捉えどころがないということにも繋がりますが、ある種の「自由さ」を感じさせる一因となっているのかも知れません。
Siliconera: 曲名はどのように決まりましたか?例えば「high pressure area」などは割と解りやすいネーミングですが、「45×8 60×6 90×4」などは不思議な印象を受けます。
Otograph: 「45×8 60×6 90×4」について説明すると、これは万華鏡の内部の鏡を交差させる角度と、その角度によって見られる鏡像の数を表しています。万華鏡の筒を回転させると次々に図像が展開していきますが、そんな感覚をもってプレイを楽しんでいただければと思いました。
その他の曲名も、ゲームやパズル、

Siliconera: Otographさんの作品は「高尚な芸術」と「ポップアート」を結びつけたアートであると大変評価されております。Otographさんのプロジェクトでは、この「高尚な芸術」と「ポップアート」にみられるそれぞれの特徴や欠かす事の出来ない要素はなんだと思いますか?
Otograph: 20世紀の「高尚な芸術」と「ポップアート」はその違いが互いに影響を与え合ってきましたが、現在に至っては「消費されるか否か」という以外には大きな違いは無いと思っています。消費してもらえる魅力を持った作品も、消費されない価値を持つ作品もどちらも作り甲斐のあるものです。今回のPixelJunk Monstersのサウンドは、たくさんの人々に楽しんで頂けるように心がけて制作しました。私たちとしては、発表の場によって表現の目的や手段を変えることを新しい刺激として楽しんでいます。個人的な視点から出発した個人を超えた継続的な表現活動がアートの定義だと思っているので、発表の場が変わっても作品に対する基本的なスタンスは変わりません。
Siliconera: 浮遊感やバランス感覚の表現の巧みさが作品の中ではすばらしい特徴としてあげられると思いますが、そのコンセプトに通ずる、例えば自然の光景や他の芸術作品などはございますか?
Otograph: PixelJunk Monstersでの例を挙げると、ゲームの舞台となるのは主に森や湖といった自然の風景です。そのサウンド制作には私たちが前年に訪れたスイス旅行の影響が出ているように思います。森や山や湖がとても美しく、日本とは違った自然の美しさがありました。
また、トランジットでヘルシンキ空港にも立ち寄りましたが、

