ワイルドガンズ: 岩月 博之
February 9th, 2009 Posted in ゲーム現在、ゲーム業界で活躍している音楽家の中でもファミコン全盛期に当時の8ビット音源を駆使して制作をしていた経験を持つ音楽家は少ない。長年に渡ってナツメ株式会社名古屋事業所でゲーム音楽を担当してきた岩月博之氏は正にそのファミコン時代からの活躍を続けている作曲家の一人である。
90年代初期に発売されたファミコン専用ゲーム「カオス・ワールド」の音楽を担当した岩月氏。「カオス・ワールド」ではサントラが発売されるなど、当時から岩月氏の音楽への注目度は高かった。最近ではXBox Live Arcade用シューティングゲーム「オメガファイブ」の音楽を担当し、サントラではゲーム内のレトロモードの全てのアレンジトラックはもちろんのこと、他のアレンジャーが参加している特別トラックも収録されており大変豪華な内容となっている。アレンジャーはSuper Sweepの音楽チームのメンバーを始めアーケードゲーム「リッジレーサー」シリーズでお馴染みの作曲家の細江慎治氏や佐宗綾子氏らも特別に参加している。スーパーファミコン用ゲームでは「奇々怪界 ~謎の黒マント」や「ワイルドガンズ」の音楽を担当し、さらにゲームボーイやプレイステーション用のタイトルも多数担当している岩月氏は当時チームメンバーの一員として仕事を続けていたことから今まで名前が表に出る機会があまり無かったという。
近年のレトロゲーム音楽ブームの動きにあわせ、今回は作曲家、岩月博之氏にファミコン時代の8ビット音楽制作の体験談を始めとして現在主流のゲーム機への作曲プロセスの変遷についてなどの貴重なお話を名古屋にあるナツメ株式会社名古屋事業所にて伺った。
取材:ジェリアスカ
翻訳:佐藤領二郎

Game composer Hiroyuki Iwatsuki
GameSetWatch: 岩月さん、今回はインタビューにご協力いただきありがとうございます。早速ですが、岩月さんの新しい作品にシューティングゲームの「オメガファイブ」がありますが、こちらはゲーム内のモード設定なども大変ユニークなゲームです。画像も2Dの横スクロールゲームのようですが、実はあれは細かいポリゴンで描かれていると聞いています。今回はシューティングゲームという事で作曲はいかがでしたか?
岩月博之: 僕もよくわからないところで、シューティングゲームの音楽を作るという事で意識の中にはありましたが実際作れたかどうかは自信があまり無いというのが現実ですね。気をつけたところは、シューティングゲームなので、ノリを持続させて曲を作ったことですね。アクションゲームの場合は自分の動きで画面が大きく変わるので、一定のリズムを刻まないで曲にたくさん表情を付けられるんですが、シューティングの場合は持続して画面がスクロールしていくという事で動きがある程度単調になります。その状態と併せてうまく画面との一体感を出すという事を心がけていました。
あとは、シューティングゲームがもともと好きな方なので、過去にプレイしたゲームを思い浮かべたり、シューティングゲーム音楽的な要素も盛り込んでみました。シューティングゲームとしてしっかりしたものを作ろうというコンセプトがあったので、そうするとイメージとしては昔のシューティングゲームがありました。なので、ゲーム自体の作りも過去の傑作を参考に作りました。
GSW: 傑作を参考にされたということは色々と他の作品に似ているということでしょうか?
博之: ルールの設定や音楽もそれを気をつけていたのでこれに似ている、あれに似ているという指摘はあるかもしれません。ゲームが配信されてから感想が気になってブログを見てみると、それぞれ思い思いの似ているゲームを思い浮かべているようでした。その中には僕の知っているゲームもあったりしましたが、そういう感想を見ても、そういう他のゲームに重ねてもらえているという部分で、自信が無いにしてもシューティングゲームらしい曲ができたという確認は出来たかなぁとは思います。シューティングゲームの音楽を作るのは初めてだったので、迷いはありましたね。本当にこれで大丈夫なのかなぁみたいな。
GSW: オメガファイブのサントラ発売の経緯をお話しください。
博之: オメガファイブはナツメ(名古屋)の久々のオリジナル作品という事で、もうこういう機会は無いのではないかということがあって、サウンドトラック制作の提案を僕が出した時も、普通ならちょっと考えるところも、意外とスムースにやる事が決まりましたね。サントラを作りたいと思ったきっかけはやはり並木さんからのメッセージですね。
うちのゲームのサントラを必要とする人がいるということがまず驚きましたけど(笑。今までも仕事でサントラを作った事もなかったしそういう事をうちの会社ではやってなかったので、そういう発想自体が無くて。それでやれるならやってみたいと並木さんにお話ししました。それで並木さんにSuper Sweepさんをご紹介いただいて細江さんと連絡をとりました。向こうの方々もオメガファイブをプレイされていたようですごくうれしかったんですが、そういう流れでいざアルバムを作るという話はトントン拍子に進みました。
そもそも、CD制作は企画から始まるもので、ゲームがリリースされてからサントラを出すというのはほとんどないんですよね。そのゲームの旬というものもありますので、あまり時間が経つとユーザーの関心がなくなるんです。それで時間的にも一月のゲーム発売から二ヶ月後の三月ぐらいで終わるということでその短い二ヶ月で作りました。皆さん素晴らしいアレンジャーばかりで、無理を言ったにもかかわらず素晴らしい出来になったと満足しています。もともとどなたがどの曲を担当されるかこちらでは聞かされてなかったので、出来上がってから聴いたんですが、具体的には何も聞かされていなかったというのもあって、すごくビックリしました。人に自分の曲をいじってもらう経験が無かったので、確かに元は自分の曲でも、聴いてみてああ、こういう手があったかとか、これは考えもしなかったなというようなこともありました。
GSW: サントラではご自身の曲 “Road to the Future” のアレンジ曲が収録されていますが、ご自分で自分の曲をアレンジするというお仕事はいかがでしたか?
博之: 自分の曲を改めて作り直すという事も今まで無かったので、お願いしてまた入れてもらったんですけど、ベースはスタッフロールの曲でそこにステージクリアとタイトル画面の曲を混ぜ込んだ作りになっています。構成としてはベースがスタッフロールの曲があって途中でステージクリアの曲で、最後にタイトル画面の曲があるんですけど、作っている段階で、ユーザーに繰り返しで聴いてもらいたいなぁと思っていて繰り返しに聴いたときにおっ!っと思える事をしようと思っていました。一番先頭の曲を後ろに持ってこようと思って、それで僕のアレンジのトラックは最後になるというのは聞いていたので、それならアルバム全体をつなげてしまおうという意図がありました。曲の構成も締めでフェードアウトしたあとにまたバーンと最初に始めのフレーズが流れるというふうに決まったので僕としては満足です。聴いてもらった方がどう思ったか分かりかねますが、フィードバックもらえるとうれしいですね。
GSW: Xbox360とスーパーファミコンの一番の違いは何だと思いますか?
博之: 360とスーパーファミコンの大きな違いは容量が莫大であるという事ですね。音楽のデータだけでゲームが作れてしまうぐらいの容量を使います。メガ単位です。大雑把に言いますと、オメガファイブの内蔵音源は10数メガぐらいあるんですけど、僕が経験した今までの内蔵音源のデータと比較しても莫大な容量なんです。なんでそんなに大きいかというと、音質をあげたままの収録をしているからです。Xbox360は基本は48khzで音を出していますが、データも同じで出しています。レトロモードの音色も同じで、ドラムが多少くすんだように聴こえますが、素材は48kのデータです。一回12とか16に落としたあとにガッと48まで戻して使っています。ですのでチープな音色でも容量はでかいということですね。そういうのは過去のゲーム機には出来ない贅沢ですよね。加えてそこに効果音とかヴォイスが入っているので単純に音質の向上は凄まじいですね。スーパーファミコンの頃は制限が大きかったので音質をすごく落としていましたが、そこが大きな違いですね。

GSW: ゲームに興味をお持ちになったのはいつ頃でしょうか?
博之: もともとゲームに興味があって8歳か9歳ぐらいの頃、近所のゲームセンターによく遊びに行っては怒られていました。(笑) 「Lady Bug」というゲームで画面を横切る車をよけながら進んでいくゲームとか、あとは名前は忘れましたが画面上にドアがあってそれをパタパタ倒しながら進んでいくゲームとか、ビルがあってエイリアンが来るので、それを穴をあけて落とすゲームとかをよくやっていました。
GSW: ゲーム音楽作曲家というお仕事をしているということで、岩月さん自身の夢がかなったという感じですかね。
博之: ゲームを好きになって、ゲーム音楽を好きになって今度はゲーム音楽を作る立場になったと言う意味では確かに夢がかなったと言えると思います。曲を作るのは大変なんですけど、やっぱり楽しいことです。
GSW: 8ビット機の為に曲を作る上で最も重要だった事は何でしょうか?
博之: ファミコンの頃は一度に出せる音が少ないので、普通の音楽としてそのまま作ると音数が足りなくなりますので、そこでメロディーを重視します。例えば聴いた人が口ずさめるとか、自分でも口ずさんで歌えるぐらい魅力のある音楽を作る必要があります。それと関連して、あまりリフだけの曲は作らないというポリシーとしてありました。そうする事で少ない音数でも魅力的な音楽が作れるという事は勉強しましたし経験もしました。
あとはメモリの容量が少ないので、少なめに押さえ気味にと作曲をする段階で考えながらつくるわけなんですけど、そうするとシンプル過ぎるということにもなってしまいます。よくあるBGMではディレイやエコーを入れるのがありますが、それはデータとしてではなく、システムが音符と音符のすき間に音を入れるという作業を自動化するようにします。特に後期のサウンドプログラムではやっていましたね。例えばここでディレイをかけたい場所に意図的に次の音を抜いたりして前の音がもう一度なるようにするというようなことも含めて作曲をしていました。
GSW: また8ビット機時代のような曲作りをやってみたいとは思いますか?
博之: 機会があればやりたいですね。オメガファイブのレトロモードのBGM様な形ですよね。ああいうのは闇雲に作ったのではなく、目的があって作ったので、今後も目的に合わせてそういうのを作る事はあるかもしれないです。ただ、最近で言うとロックマン9みたいにそれがゲームの売りになるようなぐらいまでいくと作りがいがあると思います。もしくはオメガファイブでやったような切り替えとか、アレンジバージョンで用意するという事は出来ると思いますね。
GSW: 当時「カオス・ワールド」の制作はいつから始まりましたか?
博之: 1990年ですね。僕がナツメに入社して実質二作目になりますね。これの前にゲームボーイの曲をやっていて、これが二作目になります。
GSW: ファミコンとゲームボーイはやはりスペックも違う訳ですし、それに合わせて作曲の仕方も変わって行くわけですよね。
博之: そうですね、共通する部分はPSGと呼ばれている矩形波の部分が二声、それが共通しています、それとノイズも両方持っています。一番の違いはファミコンは三角波を使っていて、ゲームボーイはサンプリングまではいかないまでもメモリ音源のようなものが入っていてそれで音色を作ります。
GSW: 最近ではアマチュアでもゲームボーイを使っての作曲があったりしますが、お聴きになった事はありますか?
博之: よく日本のウェブサイトとかで紹介されているものを耳にする事があります。面白いですよね。
GSW: 「カオス・ワールド」の頃と今を比べて作曲の作業での大きな違いは何でしょうか?
博之: 「カオス・ワールド」の頃は作曲自体が頭の中だけで、音を鳴らす事自体がデータを作る事に直結していて、今だと例えば楽譜に音符を置いたり、ピアノロールとかシーケンサーを使ったりするんですけど、そのころは16進数をそのまま使ってドレミをならしていた感じですね。メモリイメージを直接作るエディターを使って曲を作っていました。わきにキーボードを置いて鳴らしながら数字をエディターに入れて作っていました。
GSW: 「カオス・ワールド」ではどの曲を担当されましたか?
博之: このゲームはRPGで最初にファイルを選ぶところの曲が一つ、もう一つは町のBGMが一つですね。僕はそのころまだ入ったばっかりで経験があさかったので、まだまだ勉強しているという感じでしたね。プロとして作曲を始めたのもこれで2回目だったのでまだ、経験も浅くて、もう一人の方に教えてもらいながらという感じでした。その人はもともとは別の会社にいた方で、経験豊富な方でナツメに入られてもともとお一人でサウンドをされていて、その人に教えてもらいながら仕事をしていました。
GSW: このゲームもサントラが発売されていますが、自分の曲がCDになるということで当時の心境はいかがでしたか。
博之: そうですね。これを作っているという事を知らなかったんですけど、後になってこういうものを作りましたという事を水谷さんから聞いてビックリしたというのが正直なところです。二曲と言えど、まさかCDになるとはおもっていなかったので。
GSW: 「カオス・ワールド」当時の作曲の仕方を具体的にお話いただけますか?
博之: パソコンの画面上には16進数のデータが敷き詰められた形になっています。横に八個、縦に八個というように。そこに1バイトずつ、例えばド、レ、ミと入れたい場合は「00 20 40」と入れます。最初の「00」の意味は、上位4ビットがノートナンバーで、後ろの4ビットは音の長さになります。
「0」から「f」まで(0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、a、b、c、d、e、f)しか指定出来ないのであまり長い音符は使えないということになります。音を長くしたい場合は二つの音をつなぐコマンドを用意して音を長くしたりということも出来ます。あとは、制御用の命令がたくさんあって、例えばゲーム音楽はループがたくさんありますよね、その繰り返しの頭の部分と最後の部分に特定の数値を置く事でその間を繰り返すという事が出来ます。あとは音量、音色の指定ですね。音色はPSGの部分では矩形波の種類が3種類程選べるようになっていて、それによって柔らかい音、だったり固い音だったりを指定出来ます。
データを作る場合、ファミコンに移してからその都度データを再生させて確認しながら作ります。僕らが使っているエディタープログラムにはデータをファミコンに移す機能があって、それを使うと例えばファミコンのコントローラでAボタンを押すと再生が始まってBボタンを押すと止まるというような具合になります。その繰り返しで音楽や効果音を作っていました。
GSW: その後、ファミコンからスーパーファミコンへと移り変わっていきますが、その変化は大きかったですよね。
博之: ファミコンからスーパーファミコンに変わって、変化がすごく激しかったのでうれしかったのが正直なところですね。まずは音色が8声同時に出せるという事で、たくさんだせるなぁと思ってうれしかったです。さらに音をサンプリング出来るというのもすごくうれしかったです。
ファミコンからスーパーファミコンに変わって、変化がすごく激しかったのでうれしかったのが正直なところですね。まずは音色が8声同時に出せるという事で、たくさんだせるなぁと思ってうれしかったです。さらに音をサンプリング出来るというのもすごくうれしかったです。ファミコンとスーパーファミコンの一番の違いはこの同時発音数ですね。ファミコンは3声しか出せなくて、それでも満足いくものは当時出来ていたんですけど、やっぱり音数が足りないと常に思っていたので、それから解放された気分ですね。ハーモニーを鳴らしてメロディもベースも鳴らせるというのはかなり幸せでしたね。作るときも楽ですし。サンプリングが出来るようになって音色にも幅が出来ましたね。ただ、ファミコンから作曲を始めたこともあって、それに慣れ過ぎていたのでいざ機能が増えたというときに、うれしくありつつも、じゃどうやって作ろうかと困ってしまったということもありました。

[岩月氏の作品の中でも特に注目を浴びているのがスーパーファミコン専用タイトル「ワイルドガンズ」だ。ブラジル発の8 Bit Instrumentalはトリビュートアルバムでもこのタイトルからいくつかの曲をアレンジしてMP3をリリースしている。]
GSW: ナンテンというあだ名についてお話ください。
博之: これは本当にたわいのない話なんですが、ナンテンというのは日本ののど飴の名前で、当時僕らの間で相手が「ナンテン」といったら自分が「のどあめ〜」と当時のCMでもあったメロディみたいなのを歌うというくだらないやり取りがあってそれをとってナンテンと付けたというだけなんです。当時は実名を出さないということがあったので、その時に僕らにヒットした言葉を使ったということですね。(笑) 使えるのかなこれ。(笑)
GSW: 別のあだ名で「いわどん」というのもあったと思いますが。
博之: あれはファミコンの初期の頃ですね。多分カオスワールドとかその辺りですかね。当時はスタッフロールも見ていなかったので後になって聞かさせたんですよね。 DONというのもプライベートな話なんですけど、僕はアーケードゲームが好きでよくスコアのランキングで3文字入力するじゃないですか。口では周りからも言われていたんですが、そこでは自分でも使っていましたね。今でもニックネームとかで使っていますね。DONというのは僕は体は大きいんですが、昔から運動が苦手だったんですよ。それで「鈍い」の音読みで「どん」ということで、鈍い岩月みたいな事で言われていたみたいですね、友達からすると(笑 あとは名前だけが残って、僕も分かりやすくて気に入っているので「いわどん」とか「どん」とか今でも使っています。
GSW: ゲーム音楽の作曲をなさる前は音楽経験はありましたか?
博之: 僕は元々趣味から始めて、専門学校とかも行かずに、たまたま高校の頃に選択教科で音楽を選んだ事が確かに影響があったと思います。高校の三年間はそれで音楽のクラスをとってフォークギターで日本のポピュラー音楽を弾いていました。
まぁ好きですね。その頃弾いていたのは「なごり雪」とかを授業でみんなで演奏してましたね。その頃、フォークギターとエレキギターを買って、当時、友達から紹介されたカシオペアと今で言う「T-Square」というフュージョンバンドにはまって、それまでインストだけの音楽はあまり知らなくて、親が聴く演歌はよく耳にしていたんですが、高校の頃にカシオペアの音楽をコピーしたりしてリーダーのギタリストのファンだったのでその人の演奏をまねしたりとか曲を分析したりしていましたね。学生の頃はあんまり勉強は好きじゃなかったんですが、ノートにコード進行を書いたりしていましたね。
カシオペアは曲が複雑で割とくせのある曲が多くて、それに惹かれたので、自分もいずれはそういう曲を作りたいと思っていました。それから曲とかリズムを勉強しました。カシオペアの音楽をたくさん聴いてそれがお手本みたいな感じでしたね。それからナツメに就職して、それで曲を作りましょうということになって、あまりに曲を知らな過ぎるということもあって就職してから覚えた曲がすごく多いんですね。ビートルズのアルバムとかも恥ずかしい話、聴いたのは二十歳になってからかなんですよね。ホワイトアルバムとか。そこからたくさん聴くようにして勉強しました。それが奥底のベースになってると思いますね。
GSW: ワイルドガンズも大変人気のタイトルですが、簡単にどのようなゲームかお話いただけますか?
博之: ワイルドガンズというのは主人公がガンマンでそれで画面の奥側にいる敵を討ちながら進んでいくというシューティングゲームです。特徴としてはコントローラーの十字キー操作でキャラクターの移動と撃つ弾の照準の移動も兼ねているということで、そこが普通のシューティングとの違いだと思います。それに加えてジャンプや緊急回避のアクションを織り交ぜて進んでいくゲームです。
GSW: 作曲のインスピレーションになった音楽はありますか?
博之: ワイルドガンズは西部劇にSF要素を取り入れたゲームです。基本的には西部劇だとプログラマーから指示があったんですが、そのまま過ぎるのも良くないという事で僕の方で自分なりにアレンジを加えたという感じですね。当然のごとく、それまで西部劇の曲を書いた事もなかったので、日本人にもなじみの深い荒野の七人とか有名な曲が詰まったオムニバスCDをききまくって、どうすれば西部劇っぽく感じてもらえるかというのを日々考えていました。例えば2面でのフレーズ回しとかにはそこがよく出ていると思います。それ以外のところは僕の元々の曲作りの雰囲気が重なっていると思います。西部劇の要素としては口笛、ブラス、アコースティックギターなどをまぜつつ、アクションゲームらしくスピード感が出るように心がけて曲を作りました。元々調べ始めたのはオムニバスのサントラだったり個々の作品を映画で見たりしました。この作品に影響されたという特定のものはないんですが、基本的には一般的に人が聴いてこれが流れたら西部劇だよねという部分を曲に落とし込んでいったという感じですね。今では混ざってしまっていてどこがどうという感じで細かくはいえないんですが、口笛やブラスが入っていてそれと分かりやすくいうと、ゲームをやっていて点数がたまるとプレイヤーが増えるんですけど、そのときの効果音がよくウェスタン映画で聴けるフレーズで、聴いてる人がクスって笑ってしまうような、あぁそうだよねぇって納得してしまうような部分に気づいてもらえればいいなというところが盛り込んであります。
GSW: 一番印象深い曲は?
博之: ゲームを作る時っていうのは、まずは1面から作るんですよね。なので1面の音楽が一番初期の段階のイメージが強く出ていて曲を作るのにも時間がかかっているので思い入れがありますね。あとは列車が横にスクロールする面があって、そこの曲はイントロを凝ってみようという事があってさらに列車がものすごいスピードで走っているのを表現するのをギターで早いパッセージで作ったのは工夫した分、思い入れはありますね。
GSW: Youtubeやニコニコ動画にも岩月さんの音楽をとりあげてアレンジや画像を加えた作品などがアップされていますが、それをご覧になっていかがですか?日本だけではなく海外からのアマチュアの参加も多く見られます。ファンから届くメッセージはお読みになりますか?
博之: 僕が昔から不思議に思う事は、海外のユーザーの方が僕がやっている事をよく知っているんですよね。うれしい事に昔からメールで感想もらったりしているので大変感謝しています。僕らはもともと姿をおおやけにしないメーカーなんですが、特にスーパーファミコン以降は名前が出てませんのであまり有名ではないメーカーなんですよね。よくお名前を聞く有名なゲームのコンポーザーに比べたら僕もいるかいないか分からないような人間な訳なんですけど、そのなかでも僕を探してくれて、さらに音楽も楽しんでくれている、さらにその感想も送ってくれるというのはすごくうれしい事ですよね。
ああいう動画配信サービスは最近出来て来て、昔はファンからのメッセージはハガキがメインだったんですけど、今はそれで映像があってさらに古い作品を楽しんでいてくれて覚えてくれているというのはうれしい事ですよね。今でも家にスーパーファミコンを家に置いている人もいるみたいでそれで時々遊んでいるというのをブログで読んだ事がありますが、それも大変うれしい事です。
[Images courtesy of Natsume. Photo by Jeriaska. Omega Five original soundtrack can be imported through Amazon.co.jp]

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