ペルソナ4 オリジナル・サウンドトラック: 目黒将司
May 5th, 2009 Posted in ゲーム待望の「ペルソナ」[PSP版]がこの度発売になった。ペルソナシリーズはRevelations: Persona以来、ここ十数年の間英語圏の各国でも人気のタイトルとなっている。さらに北米ではデビルサマナー シリーズよりデビルサマナー 葛葉ライドウ 対 アバドン王が 五月に発売が予定されている。ファン待望の音楽はシリーズでおなじみの目黒将司氏である。ペルソナシリーズでは初めてゲームディレクターとしてプロジェク トに参加した目黒氏。今回のインタビューではシリーズ4作目である「ペルソナ 4」[PS2]に焦点をあて、その音楽について目黒氏にお話しいただいた。
取材:ジェリアスカ
翻訳:佐藤領二郎
記事は「Squaremusic」(フランス語)と、「Gamesource.it」(イタリア語)にて公開されています。
GameSetWatch: 目黒さん初めまして。本日はよろしくお願いします。まず始めに、今月に入り新女神転生の最新作デビルサマナー 葛葉ライドウ 対 アバドン王が英語圏で発売となります。こちらのサウンドトラックについてですが、ゲームの「大正時代」という設定に合わせて音楽もむかし風になっていると考えてよろしいですか?
Shoji Meguro: 大正時代に合わせて全曲を何か和楽器的なものだったり邦楽的旋律を用いるのではなく、ライドウシリーズの持つ独特の雰囲気、質感に合わせて作曲しました。「和」的な雰囲気はオープニングの尺八だけに集約しましたが、これは(たぶん日本人にとっては)強烈なインパクトを与えていると思われるので、これだけで大正を匂わせるのに十分と判断しました。
GSW: ペルソナ4について、英語圏のサイト「Gamasutra」や「Kotaku」ではストーリーに関わってくる「抑制された人格」についての記事を目にしました。曲目”Pursuing My True Self” や “Reach Out To The Truth.”ではこれをテーマとした内容が簡潔に表現されていると思いますが、これは意図された事でしたか?
Meguro: ペルソナの内面的な心理は歌詞とのリンクが大きなウエイトを占めるとは思うのですが、私自身が作曲段階で心理描写に迫ったのは、オープニング「Pursing My True Self」ではまだ主人公たちは抑圧された人格ときちんと向き合えず表面上ではカッコつけているけど実は悩み苦しんでいる様を表現しようと思いました。またバトルの「Reach Out To The Truth」は既にもうそんな悩みからは解き放れてペルソナ4のシナリオにおける核心を追い求めるというイメージで作曲しました。
GSW: 曲目「Reach Out To The Truth」は「マヨナカテレビ」での戦いの場面で流れる音楽ですが、音楽はとても静かで頼りない雰囲気からエネルギー溢れる曲調へと変化し歌詞にもその変化が表現されています。歌手の平田志穂子さんと目黒さん、この幅広い感情表現を必要とする歌をどのように仕上げていきましたか?
Meguro: 実はペルソナ4の世界観を表現できる歌手を探すために各所に手を尽くしようやく平田志穂子さんに出会えることができまして、平田さんの起用を決定した段階からは特に私は苦労すること無くペルソナ4の音楽を表現することができました。幅広い感情表現を必要とする歌が実現できたのも平田さんの才能のおかげですね。
GSW: 二曲目の「Pursuing My True Self」はオープニングのアニメーションで使用されている曲です。こちらは目黒さんが映像に音楽を合わせるように作曲されたのか、それとも映像を音楽に合わせたのか、こちらでは正直ちょっと分からないのですが、いかがでしょうか?また、この曲の制作中にはゲームのストーリー内容をどの程度ご存知でしたか?
Meguro: 音楽を先に作らせていただきました。作曲時期に関してはシナリオのあらすじが出来た段階で着手を始めています。オープニング曲だから最初に作るわけではなく、作曲もシナリオ作りと似たようなもので、ストーリーの全貌がわかり世界観を把握できてから、曲自体も全曲をどういった曲調にするのか、メインテーマの旋律をどうするのか、ストーリーの入りやクライマックスで曲はどう表現するのか、と全曲のあらすじのようなものを立て、そこから各曲の大枠を作り、最後に実際の作曲作業に入ります。ですのでオープニング曲も部分的なメロディはストーリーのあらすじが出来た辺りで。細部までの作り込みはストーリーの方はすでに台詞まで出来上がってる段階で着手したと思います。
GSW: 歌詞を担当されたのかどなたでしょうか?
Meguro: 田中怜子さんという作詞家にお願いしました。彼女とはペルソナ3のころから既に3作目の付き合いで、すばらしい歌詞を英語で作ってもらっています。
GSW: Play Magazineとのインタビューでは株式会社アトラスでの目黒さんの初の音楽が “Aria of Soul,”と拝見しました。こちらは初代ペルソナのベルベットルームでの音楽です。今回の4作目でのアレンジはどのようなアプローチでアレンジしましたか?また、今後はどのように変わっていくと思いますか?
Meguro: Aria of Soulはペルソナ3とペルソナ4で同じものを使っているのですが、この曲はペルソナ3で完成したのかな?と思っております。ですので、今後ペルソナシリーズでベルベットルームが登場して同じ曲が必要となった場合では、少々のアレンジはするかもしれませんが、基本はこのままでの再生になると思います。
ただ、まだ秘密なんですが、Aria of Soulの最終形態はこうしたい、という野望はあります(笑)それから、Electoronica in Velvet Roomは国内のサウンドトラックでのボーナストラックなので本編やストーリーとは全く関係なく、むしろボーナストラックという性質上、本編では絶対流さないようなアレンジをしてみました。

GSW: 日本でも「ペルソナ4」のサントラは大好評と聞いています。株式会社アニプレックスとのアルバム制作のプロセスついてお話しください。
Meguro: アルバム用に各曲をトラックダウンし直し、特にボーカル曲はゲーム用に少し抑えていたボーカルのバランスをとり直したりして全曲24bit、48kHzの高品位版で書き出してからマスタリングしています。
GSW: 目黒さんは学生時代は機械工学を専攻されていたと聞いていますが、電子機器を扱う音楽の世界で技術屋としてのお仕事をする上で当時の勉強が役に立ったという事はありますか?
Meguro: 大学に入る前から理系人間で(高校も理数科でした)、そういった理系的技術は好きだったこともあり、高校に入った辺りから電子楽器の扱いは自然と詳しくなっていきました。
ゲームの音楽を作るにあたってはコンピュータを扱うことが出来ることがかなりのアドバンテージになるのですが小学生の頃からパソコンをいじったりプログラムを組んでいたという経験がとても役に立ちました。
GSW: 目黒さん、本日はご協力ありがとうございます。これからもご活躍楽しみにしております。

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