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『Play For Japan』: 山岡晃氏/光田康典氏/鈴木光人氏/Hip Tanaka.β氏

August 18th, 2011 Posted in ゲーム

IndieGames.com インタビュー

東日本大震災の直後、ゲーム音楽作曲家の山岡晃氏が計画を始めたのが先日リリースされたチャリティーアルバム『Play For Japan』である。収益金は日本の赤十字へと寄付されることになっている。上記に見れるブックカバーにデザインされている水彩画はファイナル・ファンタジー・シリーズのイラストレーター天野喜孝が寄付したものである。

『サイレント・ヒル』の作曲家でもある、このグラスホッパー・マニファクチュアのゲーム・クリエーターは、ゲーム業界で活躍している多彩なミュージシャン達を一同に集めこのアルバムを作り上げた。今回のインタビューでは自身の楽曲『EX:Animo』をこのコンピレーション・アルバムの中で披露している山岡氏と、さらにやはりこの企画に貢献されている鈴木光人氏のお話を伺った。

鈴木氏は、今度のスクウェア・エニックスのロールプレイング・ゲーム『ファイナルファンタジー XIII-2』に楽曲提供をされている三人のうちの一人でもあり、彼自身のオリジナルアルバム『In My Own Backyard』と『Neurovision』の2作もスクウェア・エニックスの音楽レーベルから発売されている。『Play For Japan: The Album』では、オリジナルの楽曲『Play For You』を提供された。

このコンピレーション用として光田康典氏はスクウェア・エニックスのプレイステーション1ゲーム『クロノ・クロス』からの楽曲『Dimension Break』をアレンジし提供している。この2011年のオーケストラ版はプロキオンスタジオで録音が行なわれ、待望の『クロノ・クロス』アレンジアルバムの中に収録されることになっている。

Hip Tanaka.β氏は東京のクラブやカフェ等でチップチューン、テクノやエレクトロニカを演奏しており、昨年はインディー・ゲーム『ピクセルジャンク・エデン』のアート及び音楽ディレクターであるBaiyon氏により彼らのコラボレーションEPであるIn the Collaborations 03(iTunesにて購入可能)用にTanaka氏のオリジナル曲がリミックスされている。『Play For Japan:The Album』において、HVC-012として知られるファミリーコンピュータ ロボット,へ敬意を表すものとして、楽曲『HVC-1384』にてファミコン時代の曲を発展させている。

今回はこの4人の作曲家に彼らの音楽について、また『Play For Japan』への参加についてのお話を伺う機会を持つことができた。

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山岡晃氏

東京を拠点とされていますが、テレビや新聞からの報道で見られる今回の東北大震災からの影響はどのようなものがあるのでしょうか?またそれら災害後の報道を受けてどのように対処しようと思われましたか?

山岡晃氏: 日本人にとっては、とても大きな影響がありました。その時に起きていた恐怖や不安などはもちろん、我々、将来に対する不安などを多くの人が持ったと思います。この影響によって多くの人の価値感が変わったのではないでしょうか。この震災後には、それぞれの立場で、それぞれの人が自分のできる事を進めて行ったと思います。確かに震災直後は、大変なストレスを受けましたが、今は将来に向かってポジティブに進んでいると思います。

グラスホッパー・マニファクチュアのサウンドチームが今回の地震や津波の被災者の方達へ捧ぐ曲をアップロードしていますが、アイフォンのアプリFrog Minutesやいくつかのチャリティーオークション等を経てどのように今回の『Play For Japan』というアルバムを企画するに至ったのでしょうか?

この震災直後、世界中の多くの人たちから激励のメールを頂きました。これらの励ましによって、私は心を強く持てる事ができました。私自身、ビデオゲーム音楽の世界にクリエイターとして携わり、多くの人たちと触れ合ってまいりました。これら、震災後に頂いたメールの数々によって、自分自身ができる範囲で、私がもらった多くの勇気を自分の力の持てる範囲で、何か形にしたいと思いました。それがPFJです。世界中で活躍するビデオゲームのコンポーザーが一つのアルバムの中に集い、多くの方々に勇気と希望を届けたいと思いました。

今月末のアルバムリリースに向け、提供曲”EX:Animo”でどんな事を表現したいと思っていますか?

もちろんネガティブなところから、勇気や希望を与えられるような音楽や作品というものを考えましたが、まずは「自分らしい事」をこの曲で演ろうと思いました。PFJというアルバムには数々のアーティストが参加しています。それぞれに様々なゲームのタイトルに携わり活躍している方々ばかりです。そこには個性がとても強く表れています。一つのアルバムを聴く中で、それぞれのアーティストの個性を楽しんでもらえるのも、このアルバムの楽しさです。ゆえに自分らしい表現を、この楽曲に込めました。

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鈴木光人氏

山岡晃氏が鈴木さんのアルバム”In My Own Backyard”を絶賛されていました。アーティストとしての山岡氏は鈴木さんのミュージシャンとしてのキャリアの中で重要な位置を占める存在なのでしょうか。

鈴木光人氏: 晃さんはぶっ飛んでますが、基本を押さえた上での飛び方なのでアーティストとしても先輩としてもとてもリスペクトしています。あと視野の広さと、突きつめる探究心が同居した姿勢と柔軟性に共感します。

私がソロアルバムを出す時にコメントを書いて頂いたり、一緒に遊んだりと普段から仲良くさせてもらってる刺激的なアーティストであり友人の一人。

日本を拠点とされている方として、震災の後ゲームクリエ−ターや作曲家の方達が彼らの能力を国の復興へと貢献されている姿にどのようなご感想をお持ちですか。

まず自分にできる事を模索した結果だと考えます。ミュージシャンなら音楽で、絵描きなら絵で、といった具合に。僕の場合は頭で考えるよりもまずは行動で示すタイプなので、今回参加、協力できた事は自分が持っている術を少しでも役立てる事ができ本望だと考えてます。

Play for Japanアルバムに寄与された”Play for You”とスクエア・エニックス・ミュージックレーベルから出されている御自身のアルバム中の曲とはどのような比較をされますか。

基本、ビデオゲームミュージックを作る時以外は特に分けてるわけでないので同じモードです。しいてあげるなら制作時期が違うというのと、あと最新曲って事位ですかね。ただ曲中で「PLAY MORE MUSIC」「PLAY FOR YOU」とスピーチしているのは、これは普段なら意味合いの違う言葉を選び、今回特化したメッセージです。曲自体は参加する事になって二日程で仕上げたのですが、私にしては珍しいオールドスクールエレクトロと今の感覚をミックスしている曲でとても気に入ってます。

今回、私個人での参加となっていますが、スクウェアエニックスの理解、協力のもと参加が可能となりました。

光田様は『Play for Japan: The Album』をお聞きになってご感想は如何ですか。また山岡氏のこのチャリティーアルバムの企画運営についてどのようなご感想をお持ちでしょうか。

光田康典氏: 今回の震災の復興の為、自社(SLEIGH BELLS)でもCDの売上を全て寄付するという形で少しながらご協力をさせて頂きました。しかし、私が想像していた以上に大変な災害で、これだけではなく何かもっともっと力になれないかと考えていたところに、山岡さんからチャリティーアルバムを作りたいから協力して欲しいと言う連絡があり二つ返事で了承しました

御自身体験されて、東日本大震災はどのように個人レベルで影響を与えていると思われますか。

mitsuda_yasunori_270.jpg今回の震災は物的にも精神的にも影響を受けました。まず会社を引っ越して直ぐに地震がおきたのですが、新しく作ったスタジオの色々な部分に影響でて再度工事をしなおしました。また、現在でも余震は続いています。地震以降、怖くてあまりよく寝られません。

Dimension Breakのアレンジはアルバム『Play for Japan』の最後の曲ですが、『クロノ・クロス』アレンジアルバムリリースに先立って発表されました。以前、このゲームの音楽に対して多くのファンによるハイクオリティーなアレンジがすでに存在するので、公式なアルバムは必要無いだろうとおっしゃっておりましたが、今回制作するまでに至ったきっかけは何だっ たのでしょうか。

そうですね。一時はクロノクロスのアレンジアルバムをつくるのは辞めようと思っていました。しかし、国内外から是非作って欲しいという要望を沢山いただき、少しずつですが制作を進めることにしました。早ければ今年末、遅くとも来年夏までには必ず出します。

『クロノ・クロス』アレンジアルバムは『ミィス ザ ゼノギアス オーケストラ アルバム』に続いてリリースされますが、プレイステーション1時代からの音楽の2つのアレンジアルバムを制作されたことによって、御自身の音楽の中に 新たに発見されたような事等ありましたか。将来的に試してみたいと思われる新しい音楽形式等のアイデアが浮かんだり等ありましたでしょうか。

クロノクロスのアレンジは現在進行中なので、何とも言えませんが、ミィスに関して言えば新しいオーケストラの形は自分のなかで発見しました。ハリウッドサウンドでもなく、ヨーロッパ映画のようなサウンドでもなく、日本人ならではの新しい音ですね。でも、これはとても小さなエッセンスなので、普通に聞く感じては感じて貰えないのではないかと思います(笑)。

ゼノギアスのアレンジアルバムやDimension Breakはオーケストラの生演奏が特長的ですが、光田様もやはり御自身のクロノ・シリーズからの曲をエレクトロニックアレンジで佐野信義氏岡宮道生氏と共にトリオ・ザ・DS-10としてライブをされました。音楽家として経験されて、オーケストラとコンピューター音楽に対してそれぞれどのような対 応の仕方が御自身のやり方だと表現されますか。

僕らの世代はコンピュータミュージックと生録音の融合、という事がよく言われた世代です。僕もこれまでエレクトリックなサウンドと生音を混ぜたものは沢山作ってきましたが、最近、エレクトリックなサウンドと生演奏の音は2分化するようになってきました。それは僕の体が自然にそうさせているので、何かしらの意味はあるんだと思います。生音は生音、エレクトリックはエレクトリック、これからはキッチリと分けて音楽を作っていくシーンが多くなるかもしれません。

ゲームや御自身のアルバムに曲を書くことに加え、御自身の会社プロキオンやスレイ・ベルズ等も手掛けてらっしゃいます。時が経つと共に会社を運営する為の知識等もさらに育って来たと感じますか。また自分のスタジオを持ちたいと思っているミュージシャンに何かアドバイス等ありますでしょうか。

会社経営は作曲の能力とは全く別な所にあります。良い曲を書けているから会社経営がうまく行くわけではなく、それぞれの能力においてプロフェッショナルでなければいけません。どちらもプロフェッショナルになればきっと何かしらの道は開けてくると信じています。

多くの日本の人々は光田様の音楽にとても強い精神的なつながりを持っていて、光田様がブログに書くことをとても注目していますが、特に国全体が東日本大震災からの復興に向けて努力してる今、光田様の音楽を聞いている日本の方達へのメッセージ等ございますでしょうか。

東日本大震災だけでなく、この前は新潟でも大洪水が起き沢山の方がなくなりました。今、日本は最大の危機です。戦後最大の危機と言っても良いかもしれません。しかし、僕は一つの希望を見いだしています。それは日本人の心に忘れていた「人を思う気持ち」がこの災害によって呼び覚まされたと思っているからです。また、日本のみならず海外の方らかも暖かい言葉、物資、義援金など沢山いただき多くの方に支えられているんだなと感じました。もちろん、このアルバムに参加してくれたアーティストにも感謝の気持ちで一杯です。今は一番苦しい次期かもしれませんが、きっと元気のある日本を取り戻せると、思っています。「人を思う気持ち」を忘れなければ・・・。

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Baiyon氏とHip Tanaka.β氏

クリーチャーズの社長という視点からみて、現在日本での会社運営は今回の震災の影響を多大に受けていると思われますか。

Hip Tanaka.β氏:  ん~、これは、日本全体が受けているし、現在も次から次にいろんな問題が出てきています。社長というより、日本で生活する人間として、とんでもない状況になったと感じています。

田中様はミュージシャンとしてまたエンジニアとしてとても重要な貢献を果たされていますが、エンジニアとしての経験が音楽をデザインする上で特別な視点を与えているということについてはどのように思われますか。

楽譜(音符)に現れない部分で音楽の魅力作りに影響与えてると思う。たとえば、ディレイ、エコーの効果だとか、音を右左に定位させそれを時間的に複雑な運動を与える事とか音楽の構造、構成だとか、メロディーとかハーモニーといった本来、音楽の本質にあるものとは離れているけど音楽的な事にこだわらず自由になることで、逆に音楽の魅力を作ってると思う。

2007年以降、EXTRA Hyper Game Music Eventや、ブリップフェスティバル東京、Cheap Beats等のコンサートで演奏されていて、別名もHip Tanaka.ex, Acerola Beach, Otona Buranko等で知られています。それらの違う名前は田中様が職としているそれぞれのプロフェッショナルな仕事の分かれ目をはっきりさせるためのものなのでしょうか。もしくは違う名前の下自身の音楽スタイルを改革していく為のものなのでしょうか。

playforjapan1_cover名前が多いわりに、そんなたくさん活動していないので、はっきりとした線引きはありませんが、任天堂でやってきたようなゲーム音楽を意識した曲をやるときにはHip Tanaka、、という名前でやってます。それ以外、新たに作曲したり、DJ的に他人の曲をRemixしたり、自分の曲とMixしたり、という場合はAceroka Beach,Otona Burankoという名前でやっています。

『Play For Japan』のサイト上で、Hip Tanaka.βという名前で音楽プロジェクトを計画しているということを言われていますが、それについて詳しく話して頂くことはまだ早いでしょうか。

まず、自分の中で3つの流れがあります。

1、ここ5年間、主に任天堂でゲームの仕事をやってきた事を発端に、過去の自分のゲームの曲を個人的にRemixした事を発端に改めてクラブでDJ達が生み出してる音楽の魅力にどんどんハマってきている。

2、ChipTuneと呼ばれる音楽をゲームから離れて楽しんでる友人達とつきあうことで、改めてそういう8bit系の音源の魅力音楽の魅力を再認識した。

3、さらに、いち音楽ファンとして自分の好きなReggae とかテクノ、ロックと言った音楽も現在も聞き続けています。

その3つが重なって、、自分が本来、仕事でやってきたゲーム音楽、あるいは日本のテレビアニメ”ポケモン”の音楽の作曲とは違うもっと個人的な趣味を全面に出したような作曲活動をやってみたい、と思ったという事です。

Image courtesy of Play For Japan - A Game Industry Relief Effort. This article is available in English on IndieGames.com.  Translation by Yoko Wyatt. Photo of Mitsuto Suzuki courtesy of Square Enix. Photo of Yasunori Mitsuda courtesy of Procyon Studio.  Others by Jeriaska. For more information on the artists, see the official websites of Grasshopper Manufacture, Procyon Studio, Square Enix Music and Hirokazu Tanaka.

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  2. Aug 19, 2011: Play Xbox Game » Q&A: Akira Yamaoka, Mitsuto Suzuki and Hip Tanaka.β Play For Japan

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